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被相続人が住所変更をしていた場合の相続登記

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2020年11月6日

1 どのような問題があるか

相続登記にあたっては,亡くなった人と登記上の所有者が同一人物であることを証明する必要があり,そのために,亡くなった人の現在または過去の住所と登記上の住所が一致することを示す資料を取得する必要があります。

亡くなった人の現在または過去の住所と登記上の住所が一致することを証明できなければ,相続登記を行うことはできません。

ところが,現実には,2019年6月まで,住民票の除票や除籍の附票の保管期間が5年に設定されていたことから,亡くなった人の過去の住所を証明できず,登記上の住所との一致も証明できないことが起こり得ます。

このような場合には,どのようにすれば,亡くなった人の過去の住所を証明することができ,亡くなった人と登記上の所有者が同一人物であることを証明することができるのでしょうか?

以下では,過去の例で,どのようにして同一人物であることの証明がなされたと扱われたかを紹介したいと思いますが,法務局ごとに対応が異なっている部分もあります。

実際の登記申請にあたっては,事前に法務局と協議を行った上で,書類等の準備に着手した方が良いでしょう。

2 権利証の写しを提出する

<亡くなった人が権利証を保管していた場合は,亡くなった人が登記上の所有者である蓋然性が高いといえます。

加えて,亡くなった人が市町村の固定資産課税台帳上の所有者であるとされている場合は,その蓋然性はさらに高まります。

そこで,①権利証の写しと,②亡くなった人が固定資産課税台帳上の所有者であると記載されている書類(固定資産税の納税通知書の写し等)を提出することにより,亡くなった人と登記上の所有者が同一人物であるとの証明がなされたと扱ってもらえる可能性があります。

権利証は,本来,相続登記の必要書類ではありませんが,このような場合には,権利証の写しが提出書類となることがあります。

もっとも,権利証を紛失してしまっている場合は,このような方法を用いることはできません。

3 本籍地の記載を利用する

過去には,戸籍制度が採用され,本籍地に各戸が存在するとの取り扱いがなされていました。

このため,かつての取り扱いにおいては,本籍地が生活の本拠としての住所と一致する蓋然性が高いといえます。

このため,前回の登記が行われた当時の亡くなった人の本籍地と,登記上の住所が一致する場合には,亡くなった人と登記上の所有者が同一人物である蓋然性が高いといえます。

そこで,①前回の登記が行われた当時の亡くなった人の戸籍と,②亡くなった人が固定資産課税台帳上の所有者であると記載されている書類(固定資産税の納税通知書の写し等)を提出することにより,亡くなった人と登記上の所有者が同一人物であるとの証明がなされたと扱ってもらえる可能性があります。

ただし,このような方法を用いることができるのは,あくまでも,前回の登記が行われた当時の亡くなった人の本籍地と,登記上の住所が一致する場合に限られます

4  申述書を作成する

以上の方法を用いることができない場合は,次の書類を提出することにより,亡くなった人と登記上の所有者が同一人物であると扱ってもらえる可能性があります。


① 亡くなった人の登記上の住所についての不在住証明書

② 相続人全員の実印が押印され,印鑑証明書(3か月以内に発行されたものに限られます)が添付された申述書

③ 亡くなった人が固定資産課税台帳上の所有者であると記載されている書類(固定資産税の納税通知書の写し等)


①は,亡くなった人と同姓同名で,登記上の住所に住民票上の住所を有する人がいないことを,念のため確認するための書類です。

②は,相続人全員が,真意に基づいて,亡くなった人と登記上の所有者が同一人物であることを争わない意思を表明していることを明らかにすることをもって,同一人物であることの証明に代えるものとするものです。

真意に基づく意思表明が要求されますので,相続人全員の実印と,3か月以内に発行された印鑑証明書が必要になります。

一般に,相続登記では,印鑑証明書の有効期限はないといわれますが,同一人物であることの証明が必要になる場合には,3か月以内に発行されたものを提出する必要があります。

もっとも,このような方法を用いることができるのは,相続人全員が手続に協力する場合に限られます。

5 いずれの手段も用いることができない場合

以上のいずれの手段も用いることができない場合には,裁判所の手続を用いるより他ないでしょう。

遺産分割後の段階であれば,地方裁判所で所有権移転登記手続訴訟を提起し,判決をもって,遺産分割の内容どおりの登記を申請することとなります。

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